あま竜

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  • #417
    茶屋
    参加者

    ――竜による被害報告――

     〇〇年7月10日
     未確認生物がO県K市上空に出現。未確認生物出現後、糖度90%の雨が確認される。
     味はさわやかで柑橘の匂いがしていた。人体に被害は確認されていない。未確認しばらく高度1000M付近を浮遊していたが、唐突に消失。
     未確認生物は、体長100Mで飛行に際してまったく使用していない翼を持ち、爬虫類のような特徴を有していたが既存の生物の進化とはかけ離れた部分も確認されている。災害対策班により、未確認生物の呼称を甘竜(あまりゅう)とする。

     〇〇年7月12日
     未確認生物甘竜(以下甘竜)が再び出現。出現場所はO県C地区。K市から南下している模様。
     甘竜出現後、再び糖度90%以上の雨が観測される。航空自衛隊による駆除作戦が実地されるも失敗。
     自衛官は対毒ガス装備をしていたが、未知の甘味を感じ、思考力を奪われ作戦続行不可能となった。
     甘竜は24分間の浮遊後、消失。
     以下乗組員Aの証言。

    「信じられないくらい甘ったるかったです。えぇ、もちろんマスクはしていましたとも。生物兵器の可能性も考えて粘膜は全て保護していました。それでも、甘かったんです。凄く甘いのに、不快感はなくて……氷砂糖に歯を当てた時のようなそんな香りがしました。甘竜ですか? 防護用の特殊眼鏡をしていたので、肉眼では見ていません。しかし、見ることはできました。竜……そうですね。竜と言える見た目をしています。ただ……ガリガリに瘦せていて肋骨が浮き出ていました。前回は失敗しましたが、もう一度作戦を実行したいと思っています」

     緊急報告:上記証言をした夜。乗組員Aが無断で戦闘機に乗り込み、離陸を試みていた所を同僚が取り押さえる。明確な命令違反であり、危険行動である。本人は前後不覚に陥っており、会話は困難。甘竜による影響が考えられるため、次回からの作戦にはドローンを使用することとなる。

     〇〇年7月17日
     甘竜がO県S市上空に出現。県でも有数の都市ということもあり多くの人間が甘竜の影響を受けた。
     以下記録。

    11:00
    甘竜出現、周囲に複数の虹が確認される。晴天にもかかわらず、遠雷の音を確認している。
    ドローンにより接近を試みるが、用意されたのは小型機の為、周囲の気流により近づけない。

    11:15
    降雨を確認。雲は確認されていないが1時間当たりの雨量が3mmほどの雨が降る。
    糖度は90%。住民はかき氷にかけて食べていた。保健所職員が止めるように指示を出す。

    11:40
    保健所職員もかき氷を食べ始める。SNS上で有名人がその様子を取り上げ拡散して為、緊急でサイトを停止させる。

    11:50
    ドローン操縦車が操縦を停止「俺も甘いものが食べたい」と降雨が確認される区画へ車で移動しようとした為にスタンガンで気絶させている。

    12:00
    甘竜消失。住民に混乱は見られない。

    23:00
    数百世帯の住民が甘竜を求めて、徘徊し始める。地域警察と自衛官により鎮圧。
    記録終了

     甘竜の持つ甘味には強い依存性があり、電波越しにも依存性を発揮する可能性がある。医療的な依存性は確認されておらず、物理的に拘束する以上の対策はない。甘竜の危険度を最大レベルまで引き上げる。戦略級兵器の使用許可が下りる。

     〇〇年7月20日
     甘竜出現。M村上空にて、浮遊している。村民の避難を確認し、対空ミサイルより駆除を試みる。
     一定の効果あり、甘竜はそのままM村へ落下。体液が揮発し、スクラロースの200倍ほどの甘さを確認。甘竜は苦しみながら羽を動かし、体液を拡散させる。対地ミサイルに切り替え攻撃を開始するも、大気が粘性を持った為に、本体にたどり着く前に爆発し甘竜へは攻撃は届かない。これ以上の攻撃は未知の災害を引き起こす可能性があり、一度攻撃を中止する。

     〇〇年7月21日
     甘味を伴った大気が、爆発的に拡散し降雨も広がったことから、〇〇川流域を中心に周囲50KMが甘味によって汚染され作戦続行不可能。政府はO県の放棄を検討する。

     〇〇年7月24日
     甘味を伴う大気が消失。甘味に対し依存症を発症していた当事者が回復傾向を見せる。

     〇〇年8月3日
     ドローンによる哨戒を行う。甘竜の死亡が確認。甘竜の死骸には周囲の虫達が群がっており、死因は虫達によって捕食されたことだと考えられる。

    〇〇年8月10日
     事態の収束を政府が宣言。

     被害報告を終了する。

    追記:
     〇〇年8月17日
     追加調査により、M村に逃げ遅れた住民がいることが判明。72歳の男性だった。
     以下証言

    「お腹は全然減らなかったなぁ。空気だけでお腹いっぱいに慣れるんだ。でもよぉ、孫の飼ってるクワガタは腹ペコで全然元気にならないからのぉ。……竜の体にクワガタを引っ付けたんだ。すぐに美味しそうに飴のような鱗に張り付いたよ。そしたら、山からいろんな虫が出てきて竜に群がってたんだ。竜は苦しそうにはしていなかったよ。何もせず、ただ食われてた。雨のおかげで涼しかったし、甘くておいしいし、虫達も満足で、虫を喰う動物も嬉しいと思うよ。多分、そういう存在なんじゃと思うなぁ」

    • このトピックは茶屋が3ヶ月、 2週前に変更しました。
    • このトピックは茶屋が3ヶ月、 2週前に変更しました。
    #465
    茶屋
    参加者

    ポテト男爵です。
    時代が違えば竜は受け入れられたのでしょうか? あるいは、この現代こそが甘味を振りまく竜を求めていたのか……。
    痩せた砂糖菓子のような竜はミサイルに撃たれ、虫に喰われ、何を思うのか。
    というか、この事件普通に世界規模で大事件ですね。
    クワガタがいるので茶屋さんっぽい。……と思ったのですが、そう言えばヒヒヒさんもこういうの好きそうだなぁと思えてきました。

    #475
    けにお
    参加者

    この馬鹿馬鹿しい感じは、どう考えても茶屋さんに思えるなあ。

    しかし、偽造もあるのがこの祭り。

    男爵の言われるとおり、ひひひ氏の偽造作の線もあるのかなあ。

    でもなあ、この馬鹿馬鹿しさは、どう考えてもなあ。。。

    #489
    なかまくら
    参加者

    金槌太郎(甘)です。
    これは、傑作ですね。
    「シン・ゴジラ」にも通じる未知の生物に対して、人間はどのように対応するのか、
    ということをリアリティをもって描きだしていく様を見せてもらったようで、
    大変楽しめました。人間は攻撃されたと感じて、殺すことを考える。
    けれども、虫たちは、甘いものを楽しんだ。
    人間も、そんな甘い話はない! なんて思わずに素直に楽しめばよかったのかもしれませんね。
    作者さんは、ヒヒヒさんか茶屋さんなのです・・・。これは偽装の甘い罠を感じます。

    #505
    ヒヒヒ
    参加者

    #文明3の住人です
    甘い大気を纏う竜。対毒ガス装備すら貫通する甘味……。これ対処が遅れていたらO県は滅ぼされていたのでは? と考えたらそれなりに怖い存在ですねこの竜。作者予想でヒヒヒさんの名前が出ていますが、彼であれば「天候操る→東洋型のりゅうだ→甘龍だ」と言うと思うので、作者は茶屋さんです。

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