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2024-01-21 10:38 PM #383
けにお
参加者半世紀もの歳月が流れ、肩こりに悩まされながらも、失恋の辛さに苛まれる独身男。新たなる情熱を求め、甘味の世界に心を託す覚悟を固めた。しかし、チーズケーキの製作に四苦八苦し、期待に応えることができず、彼の日々は儚く過ぎ去る。
ある日、彼は焼き上げたチーズケーキに自身の悩みを打ち明け、その果てに、微笑ましい交流が芽生える。オーブンから沸き立つ熱き湯気と共に繰り広げられるその対話の中で、彼とチーズケーキは夢と未来について語り続ける。ベイクドケーキの如き濃厚で滑らかな愛が芽生えるまでそう時はかからなかった。
寒月の夜、美しく輝く星空の下で、かつての恋人が予測不可能な出来事となり、再び姿を現す。玄関から堂々と表すは、昔味わった榛色の艶めかしい女。彼は迷うことなく、家の内へ内へと迎え入れた。
彼は、夜毎、月に向かって愛を誓ったはずチーズケーキのことを一時忘れ、情熱的な眼差しの榛色のチョコレートケーキに釘付けとなる。生チョコの如き滑らかな舌触りに溶けながら、彼は内なる葛藤に直面した。
「私は、どちらの情熱に身を委ねるべきか」彼は迷う。
繊細で爽やかなチーズケーキか、それとも、榛色の肌を持ちうる情熱のチョコレートケーキか、彼の心は揺れ動いた。
一方を選択する、と言うことが、彼を追い詰めた。思い悩む中、彼は思い切ったアイデアを抱く。彼は、巧妙にチーズとチョコレートを調和させ、新たな味わいを生み出すことを決断する。
生まれしは、繊細なチーズと力強いチョコを兼ね備えた、複雑に混ざり合うチョコレートチーズケーキであった。
「これはとても新しい試みだ。チーズケーキとチョコレートケーキの調和。君たちへの愛を一つに纏め上げたのだ」と、彼はチーズケーキとチョコレートケーキに自慢げな宣言する。
「なるほど、それは進化した味覚体験ですね。君の挑戦に感謝しよう!」と、チーズケーキは穏やかに微笑んで応えた。
「さすが、君! 料理の進化を信じてやまないね。でも、私も負けないわよ」と、チョコレートケーキは褐色の豊かな胸を張り、誇らしげに笑んだ。
しかし、ある日の夕べ、彼はメガネをかけて窓辺に座りながら、龍のように肋骨の奥底から湧き上がる感情を抱えていた。
「懐かしい風景だ。昔はこの道の有名人であるチョコレートケーキを憧れの的としていた。でも、今は…」と、彼はつぶやく。
もともとチョコレートケーキはカカオの苦味と練り込んだ砂糖との甘みが相まった世間を騒がす有名人であった。そのことが、彼の心に響く。
「有名人であったチョコレートケーキに嫉妬したが、チョコレートもクラミジアに毒され、苦しんだ時代もあったと聞く。ケーキそれぞれ苦労があるものだ。しかし、その苦労を乗り越えて、夢に向かって進化し、今のほろ苦いチョコレートケーキがあるのだろう。」と、彼は悟る。
そこに、「あなた、また、新たな夢を見つけてみては?」と、聡明なるチーズケーキが柔らかく寄り添い、提案する。
すると、窓から微かな光が差し込み、部屋にやさしい明かりが広がり、部屋に爽やかなレアチーズの香りが漂い、彼を包み込む。
「そうだったな、進化を求める心が、新しい夢を見つける力になるのかもしれない。有名人に憧れる気持ちは、新しい未来への扉だ」と、彼は独り言ちる。
そんな時、窓の外に、隣の敷地の庭に龍のような姿勢で立つ抹茶ケーキの如き貴婦人が目に止まる。彼の視線に気づいた婦人は、楚々として彼に近づくと、開けた窓から部屋の中に抹茶の香りが流れ込んできた。
「こんにちはケーキ屋さん。新しいケーキを生み出すこと、進化を求めること、夢を追うこと、どれもが素晴らしいことですわ」と、抹茶婦人はこちらの想いを汲み取り、はんなりと語りかけた。
そのチャーミングな微笑みと、婦人のうなじからの匂ひが、彼の心を抹茶に向かわせた。この抹茶婦人がクラミジアに感染しているとも知らずに。
落ち着きを取り戻した彼の生活に、再び、深緑の空気が漂い始めたのだった。
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2024-02-17 7:23 PM #466なかまくら
参加者金槌太郎(仮)です。
これは一体、何が起こっているのか・・・。
登場人物がことごとくケーキで、甘い誘惑をしてくるのは男の孤独からくる妄想のようで、それでいて、明るい住宅街を思わせる舞台が妙に現実感があって、本当にこの世界が存在しているのではないかという妄想に罹患しそうな力がありました。
この突飛でけれども、個人の悩みを描いている世界観・・・作者さんはけにおさんと予想します。2024-02-20 9:12 PM #476けにお
参加者これは、さすがに、あの方だろうな。
2024-02-23 12:55 PM #493ヒヒヒ
参加者#文明3の住人です
自ら作ったケーキが人になり、そうかと思うと二つのケーキが混ざり合って一つになり、それでありながら元の人格は保有したまま……。それらのケーキはどれも優しい。文字通りの意味で夢みたいな生活を送る男のもとに隠し事を秘めた第三者が訪れたのは、男が無意識にスパイスを求めるようになったからでしょうか。2024-02-23 6:13 PM #499茶屋
参加者ポテト男爵です。
色々考えて最後に抹茶でクラミジアで……
チョコレートケーキへの憧れと諦めと……なんだかわらない感情が沸き上がってきます。
みっちりと詰まった文章の中で物語のつながりを見つけるような体験でした。
……作者は二択です。 -
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